自動車用ポリプロピレン発泡体の気泡構造が物性に及ぼす影響 第2報

摘要

自動車用プラスチック部品において，発泡射出成形品の応用範囲が拡大されている.さらに我々は，要求機能の高い部品の軽量化や，吸音等の機能を付加していくため，より気泡構造を高度に制御するための材料開発を行つている。前報では，我々は樹脂部品を構成しているポリマーの結晶を発泡核剤として働かせることを着想し，ゲル化特性を持つ結晶核剤1,3:2,4 bis-O-(4-methylbenzylidene)-D-sorbitol gelling agent (ゲルオールMD；新日本理化(株)製）を添加し，結晶を微細化させ，発泡核剤として機能させることで気泡の微細化および均一分散を実現した.その輝果，核剤を添加しないものに対し，比曲げ弾性率を30%以上向上させることができた.さらに，発泡倍率の調整により微細独立気泡と高連通フィブリル構造の作り分けが可能であることを明らかにした.本報ではさらに，構造体の機能として要求される衝撃特性と，付加機能として吸音特性の評価を実施した.