2軸押し出し機による長尺単層CNTを用いた高導電性ゴム材料開発

摘要

導電性フィラーとゴムを複合化して作成される導電性ゴムは，OA ロール/転写べルト，接点材料，タイヤトレッ等利用され，今後フレキシブルデバイスの配線への応用が期待されている.導電性ゴムの体積導電率はフィラーの添加量を増やせば高くなるが，同時にゴム物性は低下する.すなわち，トレードオフの関係にある導電性と機械特性を同時に向上させるにはアスぺクト比の高い導電性フィラーを用いることが効果的である.単層カーボンナノチューブ(CNT)の一種であるスーパーグロース単層CNT(SG-SWNT)[1]は直径3nm，長さ1mmにも達し，最も高い体積導電率を持つ筒状材料である.またCNTはグラフェンを筒状に丸めた材料であるため高い伝導率をもつ.またSG-SWNTでは実証プラントによる県境を終え，近い将来トンスケールでの試料提供が見込まれている.本報告では，長尺のSG-SWNTバンドルを，切断を抑えて解す方法について報告する.また作成されたSG-SWNTゴム複合材料は過去に報告された乾式法によるCNT複合材料に比べ少なくとも200倍高い体積導電率を有する.さらに我々は二軸押出機により導電性ゴムシート作成のデモンストレーションを行った.