化学発泡成形プロセスにおける型内圧力のin-situ計測

摘要

架橋樹脂発泡体は，シューズをはじめ車両部品や断熱材に汎用される.その成形プロセスは，熱分解によりガスが発生する化学発泡剤を用いた化学発泡成形法が用いられる.すなわち，化学発泡剤および架橋剤を混練した樹脂コンパウンドを加熱加圧下にある金型内に充填し，材料の膨張を抑制した状態で，化学発泡剤の分解反応と樹脂の架橋反応を同時に進行きせる.それら反応の終了後に急減圧することで発泡体が得られるものである.化学発泡法による架橋樹脂発泡体の気泡構造には，化学発泡剤の分解挙動および樹脂架橋反応が影響することが経験的に知られている.先の研究においても，成形時の型締め圧力や配合剤等が気泡構造におよぼす影響が検討されている.しかしながら，気泡の形成メカニズムを詳細に理解し，その構造の制御指針を得るためには，成形中の材料状態を評価することが有用であると考えられる.そこで本研究では，化学発泡成形プロセスにおける型内の圧力および温度をin-situ計測するシステムを構築し，化学発泡剤やその分解助剤の添加量が化学発泡剤の分解挙動に及ぼす影響を検討した.