酸化チタン粉体を複合したZn-Ni合金めっき皮膜の耐食性に及ぼす粉体粒径の影響

摘要

Zn-Ni合金めっきは，二酸化ケイ素やふっ素樹脂PTFEなどの粉粒体と共析させることで，容易に撥水性や耐摩耗性を付与した機能性複合めっきを作製できる．また，この合金めっきは，Znめっきと比較して耐食性が高いことから，それら複合めっきの耐食性評価についても多数報告されている．一方，防汚性を付与できる二酸化チタン粉末を含hだ複合めっきでは，その防汚性が原料粉体の比表面積，平均粒径や共析時の分散性などによって変化することが知られている．とくに，平均粒径は，めっきへの共折畳に影響する重要な条件である．しかし，これら各物性の耐食性への影響については，まだ詳細には明らかにされていない．そこで，本研究では，酸化チタン含有Zn-Ni複合めっきの実用化を目的に，酸化チタン粉末の平均粒径の変化に伴う耐食性への影響を検討した．