金属材料の劣化モードの一つであるSCCは、発生から材料の破壊に至るまでの時間が腐食の係る劣化の中では比較的短く、機器に重大な損害を与えうるためその発生機構の解明が求められている。SCC発生機構を考察するためには萌芽形成におけるごく微小な挙動を観測する必要があり、そのための「割れ萌芽の形成から微視き裂の発生·初期進展までを連続的にモニタリング可能な視覚化手法」が当研究室において開発されている。また、SCC感受性は電位に大きく依存することが知られており、R. C. Newmanらによって鉄-硫黄系のプールベ図上の二価の鉄イオンと単体硫黄が存在する領域においてSCC感受性が高くなることが示されている。以上の事から本研究では、鋭敏化ステンレス鋼+チオ硫酸ナトリウムの系において電位をパラメータとして視覚化SSRT試験を行うことでSCC発生機構解明を目的とする。
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