光放射圧プローブによる定在場スケールを用いた三次元形状のスキャニング測定（第2報）―定在場中でのプローブ球の挙動解析

摘要

近年，加工技術の発展に伴い様々な製品が小型化されており，ナノメートルオーダで三次元形状を評価する計測技術の要求が高まっている．我々は集光レーザによる光放射圧を用いて微小球を三次元的に捕捉（レーザトラップ）する光放射圧プローブによる定在場スケールを用いた計測技術を提案している．本手法では，集光レーザと測定面での反射による反射光との干渉によって生じる定在場をスケールとし，捕捉された粒子はプローブ球として定在場スケールを読み取るセンサの役割を担っている．プローブ球が定在場スケールを読み取る精度が本手法の精度と繋がるため，定在場中でのプローブ球の挙動を解明する必要がある．現在，滑らかな面の計測は可能であるが，段差を持つ複雑な形状は形成される電場が複雑となり，粒子の挙動が不明となるため計測が困難である．実験的にプローブ球周辺の電磁場分布を確認することはできないため，理論的に計算することでプローブ球の挙動を明らかにしていく．本研究では，プローブ球挙動解析のためのプログラムの構築，基礎的なプローブ球の挙動として平面を反射面とする解析を行う．