小径ドリルによるPPS 樹脂の穴あけ加工に関する研究－加工深さがバリに及ぼす影響

摘要

熱可塑性樹脂であるポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂は, 高い機械的強度, 耐熱性や成形性に優れた材料で, 自動車部品, 機械部品や電気·電子部品のような工業用途に適している．産業機器の装置の多様化にともない, PPS 樹脂の機械加工の需要が高まり, 小径穴あけの高能率加工の要求が高まっている．しかし, 切削加工時に発生するバリが製品品質の低下や後工程の障害となるために, 追加のバリ除去工程が必要となる．そのため, 加工能率や加工コストが問題となる．本研究では, 直径1mm の小径ドリルを用いて, 穴あけ加工における加工深さがバリ発生に及ぼす影響について調査する．そして, 切削条件より発生するバリを小さく抑える方法について検討し, PPS 樹脂における小径穴あけの高精度·高能率加工の実現を目指す．