Mg-Al-Ca系難燃性マグネシウム合金押出し加工材の温間引張特性に及ぼすAlおよびCa添加の影響

摘要

現在，自動車や航空機などの分野で環境問題の対策として省エネルギー化やリサイクル性が重要になっている．省エネルギー化の実現のために製品の軽量化が重要視されている．軽量化を図るために，鉄系材料に代わる軽合金の開発に関心が向けられており，中でもマグネシウム（以下Mgと呼称する）合金は実用構造用金属材料の中で最も軽量であり比強度，振動吸収性，リサイクル性など様々な点で優れた利点を持つ．特にその軽量性が注目され，自動車部品や鉄道車両，航空部品などの輸送機器の軽量化による省エネルギー対策として注目されている．しかし，Mg合金は高温下で激しく酸化して燃える，発火しやすいなどの欠点より大気中での溶解，鋳造が困難である．そこで，Mg合金にカルシウム（以下Caと呼称する）を添加することで難燃性Mg合金が開発され，Mg合金の発火温度を200°C～300°Cの上昇を実現している．この開発により，Mgの更なる需要が見込まれている．Mg合金は室温付近での塑性加工性が悪い．よって，展伸材としての利用は，マグネシウム利用の1%に留まっている．しかし，Mg合金の機械的性質は結晶粒径に大きく依存し，結晶粒を微細化することにより，室温強度·延性の向上が達成される．そのため，高温において超塑性特性による塑性加工性の向上が期待できる．