アイドリングストップ機能付き工作機械の運動精度に関する考察

摘要

近年，地球環境問題の深刻化からSustainable development（持続可能な発展）という考え方が重要視されてきている．このような背景の中，機械装置の小型軽量化が進でいる．「小さいものは小さい機械で」という概念に着目し，工作物の寸法に見合った加工機を用いる事で，製品製造段階における環境負荷を削減した製品製造を実現することが可能であると考えられる．工作機械の小型化においでは，動作への慣性影響が小さく高速化が容易であるなど利点が多い一方，小型機は使用時の消費電力増加量が多いという事実があるため消費電力を抑える加工方法の提案が求められている．そこで本研究では小型部品製造に適した小型の工作機械を用いると同時に，工作機械には製品製造時のさらなる環境負荷の低減を念頭においたアイドリングストップ機能（以下IS.）を付加した．特に本報ではこのアイドリングストップ機能を使用した際に生じる移動誤差と消費電力の関係に着目し，移動誤差の低減を目的とした．