超音波振動援用高速切削に関する研究(第8報）－小型超音波切削加工装置による難削材加工の実現

摘要

超音波切削加工は被削性改善の効果があり，難削材の加工に広く適用されている.その一方で，この技術は従来の理論において低速切削を推奨しており，生産効率向上が難しいとされている.近年の超音波技術の進歩は著しく，高出力化，振幅·エネルギ密度の向上が進hでいる.これに伴い，筆者らのグループでは，刃先が加工物に連続接触する臨界切削速度以上の高速切削条件においても超音波振動付与の効果が得られると考え，ステンレス鋼において，その効果を報告してきた.本研究では，高速超音波切削加工の更なる高効率加工を実現するために新しく高速回転可能な小型超音波切削加工装置を製作，高速超音波切削における難削材加工の優位性を調査することを目的に，チタン合金（64チタン）に対して切削速度を変化させた慣用切削と主分力方向超音波切削加工を実施，切削速度が加工現象に及ぼす影響について比較·検討を行ったので報告する.