極小径エンドミル加工における切削現象について－立壁形状加工における左ねじれ工具の仕上げ効果

摘要

近年，医療分野や電子デバイス分野において，部材の集積化や微細化の進展が目覚ましく，微細金型の複雑形状化や高精度化，低コスト化などの要望もあり，微細金型の高度な切削加工技術が求められている.また，微細金型に残存した微小なバリは，後処理が困難で，切削時のバリレス加工も望まれている.本報では，立壁形状を持つ実金型モデルの加工において，従来加工法である右ねじれ工具を用いたダウンカット等高線仕上げ加工と比較し，著者らが提案する左ねじれ工具を用いたアップカット段切削加工の仕上げ効果について比較検討する.さらには，各種加工条件で仕上げた底面に磨き加工を実施し，提案手法で仕上げた加工面の磨き工程における工程短縮効果について検討を行う.