マルチプレックス遺伝子診断デバイスの開発(第2報): 等温遺伝子増幅のためのデバイスデザインの最適化

摘要

DNAマーカーを用いた迅速かつ的確な病害虫識別·診断技術は，農作物の安定生産に欠かせない技術である．また，節足動物(蚊やマダニなど)が媒介するウイルスによる感染症も発展途上国においては大きな社会問題となっている．本研究では，農作物の病害やヒト感染症(節足動物媒介感染症)の早期発見·予防を目的とし，植物·土壌サンプルや節足動物からの遺伝子検査を迅速かつ簡便に実施するための高感度な遺伝子診断デバイスの開発を目標としている．本報では，遺伝子増幅の可否判断(蛍光観察)に必要となる反応試薬量を確保するために，半球ビーズを用いたソフトリソグラフィ技術を開発した．さらに，加温の際にデバイス内の溶液が蒸発する原因を調査し，デザインの最適化を検討した．