ファイバーレーザ干渉計を用いた工作物の機上動剛性測定装置の開発

摘要

近年，航空機産業において，航空機の燃費向上のため，部品の軽量化，薄肉化が求められている．しかし，薄肉工作物の加工では，加工中の工作物の振動により加工能率が低下する．そのため，工作物の動特性評価を考慮し，適切な加工条件を設定することが重要である．実験による動剛性測定には，加振と加振カの測定にインパクトハンマ，工作物の応答測定装置に加速度計を用いるハンマリング試験が広く用いられている．しかし，薄肉工作物の加工においては，加工プロセス中の工作物の厚さの減少により，工作物の動特性が変化するため，何度も動剛性測定実験をする必要がある．したがって，実験の度に加速度計の取り付け，取り外し，インパクトハンマによる加振が必要となる．このため，セットアップに時間がかかり，作業量も増加する．また，ハンマリング試験において，インパクトハンマによる再現性のよい加振を行うには，技能が必要である．そこで，工作機械のテーブル上に取り付けられた工作物の動特性を，工作機械上において自動で測定できる装置があれば，これらの課題は解決すると考えられる．本研究では，ファイバーレーザ干渉計を用いた機上動剛性測定装置を開発する．装置を工作機械の主軸に取り付けることができ，工作物に応答測定装置を取り付ける必要がない装置とする．また，開発した装置を用い，工作物へ与える加振力パターンを変更した際に測定される動剛性について調査をする．