ターンミリングの高能率·高精度化に関する研究: 工具オフセット量が工具刄先温度へ及ぼす影響

摘要

旋削加工は最も一般的な加工法であるが，連続切削のため工具刄先温度が高くなりやすく，高能率化が難しい加工法である．また，連続型の切りくずを生成しやすく，安定した切りくず制御も量産現場において重要なポイントとなる．これら問題に対して，本研究ではターンミリングに着目する．ターンミリングとは回転する被削材を回転する工具で切削する加工法であり，切削が断続化するため工具刄先温度の上昇を抑制でき，切りくずも一定の長さで確実に分断される特長を有している．ターンミリングの切削現象を理解する上で工具刄先温度が重要となるが，加工時に工具·被削材双方が常に回転しているため，工具刄先温度の測定は非常に困難であり，実測例は報告されていない．