3軸駆動制御を導入した2K-H型とDA型遊星歯車機構の実験的考察

摘要

遊星歯車機構はこれまで多くの機械に用いられており，最新のハイブリッド自動車などにおいても最も重要な機構のひとつである．小型軽量省スペースでトルク-重量比が大きいなどの利点の一方で，かみあいが複雑で振動騒音が大きいことなどが問題となっている．これまで，遊星歯車機構に関して多くの研究がなされてきた．特にParkerら松村らがリングギアを固定した2K-H型遊星歯車機構の実験的研究を行っている．2K-H 型遊星歯車機構は産業界で最も用いられている定番の遊星歯車機構であるが，その特性上プラネットギアが高速で自転するためにかみあい周波数が高く振動騒音が大きい問題を内在する．そこで本研究では，かみ合い周波数の低下と振動騒音の低減を狙った2K-H型の代替機構を提案し，実験により2K-Hと比較してその優位性を考察する．1967年，佐藤によって考案されたDA型遊星歯車機構は，プラネットギアの自転軸と公転軸を自在継手を用いて同軸にとった機構で，2K-H型と同じ入出力状態のときにプラネットギアの回転数が低減され，振動騒音が抑えられることが期待される．そこで実験で比較した結果，DA型の方が2K-H型に比ベ低い騒音レベルでより幅広い入出力状態を実現できる可能性が判明した．