高速輪郭運動時の機械振動抑制のための補償トルク設計方法

摘要

生産現場において，製品品質と生産効率の向上のため，数値制御工作機械には高速かつ高精度な輪郭制御運動が求められる．しかし，工作機械を高速なサーボモータで駆動すると加減速時に発生する慣性力により機械振動が励起され，加工面品位を悪化させることが知られている．工作機械の振動抑制に関しては，指令に対するフィルタ処理やサーボ系のパラメータ調整を用いた振動抑制手法の研究がなされているが，軸ごとに国有振動数が異なり振動数が低い機械構造の振動などを抑制しようとした場合，とくに同時 2 軸制御以上の輪郭制御運動において，軌跡誤差や追従性の低下を引き起こす場合があった．そこで本研究では，トルク指令に外乱として補償トルク指令を印加することで，加減速時に発生する振動を相殺する振動抑制方法を提案し，実験においてその抑制効果の検証を行ったので報告する．