超短パルスレーザピーンフォーミングにおける照射痕のオーバーラップの影響（第3報）走査速度による変形効率の変化

摘要

集光した超短パルスレーザを金属箔上に走査させると，照射面はレーザ誘起衝撃波によって光軸方向に圧縮されるとともに板面方向に延ばされる．複数回の線走査を行って変形を蓄積することで箔には照射面を凸とする湾曲が生じる．これをレーザピーンフォーミングと呼硯著者らは本法を薄板の曲げ加工に応用した．既報では，ピコ秒似下 ps）レーザとフェムト秒似下 fs）レーザにて，走査速度を上げて照射痕のオーバーラップを解消し，その分線走査の回数を増やすことで，総照射パルス数は一定でありながら曲げ角を数倍に向上できる条件があることが分かった．これは1 パルスの照射条件のみではなく，走査方法も成形効率を左右する要素であることを示している．そこで本報では，純チタン箔に対して，複数の速度で走査することで照射痕の分布を変えながら板曲げを行い，走査速度に対する成形性の変化を調査した．