焼結ダイヤモンドの超音波研磨加工に関する基礎的研究(第2報)－工具円筒研磨面の研磨

摘要

エンドミルは, バイトに次いで汎用性の高い切削工具の一つで, 特にボールエンドミルは, 複雑な3 次元加工に対応できる汎用切削工具として位置づけられている．金型や機械部品の加工における近年の要求として, 微細化および高硬度化があげられる．エンドミルは, その要求に対して, ますます小径化および高硬度化している．最近では, 超硬合金金型の微細高精度切削が要求されてきているが, それに対して, 小径のダイヤモンド焼結体エンドミルが最適であるものと考えられる．しかしながら, 焼結ダイヤモンドは硬度が極めて高いので, 切れ刃を, 従来の研削加工により精密かつ能率的に成形することが非常に困難である．一方, ダイヤモンド焼結体は, 結合剤であるコバルトやダイヤモンド粒子にドープされたボロンなどを含むので, 放電加工が可能である．そのため, ダイヤモンド焼結体工具をWEDM により成形する研究が進められている．本研究では, はじめにWEDM による小径のダイヤモンド焼結体エンドミルの製作法に関して整理した．すなわち, 4 軸制御の場合にとりうるWEDM加工機によるエンドミル成形法に関して整理した．次に, WEDM によって製作されたダイヤモンド焼結体エンドミルの切れ刃の仕上げ法に関して検討した．その結果, ダイヤモンド焼結体エンドミルの切れ刃成形法として超音波振動を援用したラッピング法を提案した．