送り駆動系の運動誤差を考慮した仕上げ加工面シミュレータの開発

摘要

NC 工作機械で加工を行うと, NC プログラムに内在する誤差や送り駆動系の運動誤差などにより仕上げ加工面に不具合が生じることがある．そのため, 仕上げ加工面のシミュレーション方法は広く研究されてきた．Buji-Corral らはクロスフィード量などの静的な問題がボールエンドミル加工面に与える影響をシミュレーションした．また, 西尾らはスクエアエンドミルによる側面加工時に送り駆動系の運動誤差が加工面に与える影響をシミュレーションしている．しかし, 送り駆動系の動的な誤差とNC プログラムに内在する静的な誤差による影響を一度にシミュレーションする方法は未だ確立されていない．本研究では, これらの誤差による影響を表現するために, 切削形状シミュレータと送り駆動系の動的挙動を表現するための数学モデルとを組み合わせ, 仕上げ加工面シミュレータを開発した．また, 実加工とそのシミュレーションとを行ない, NC プログラム作成時や加工運動時に生じた誤差が加工面に及ぼす影響をシミュレーションできることを確認したので報告する．