メッシュデータに対する高品質細分割曲面の制御メッシュ（第6報）―境界条件による高品質曲面生成

摘要

近年，多くの車体や工業製品が複雑な曲面を持っており，これらの物体をモデリングするためには，複雑な曲面を正確に再現することが必要である．そのため，リバースエンジニアリングやCGの分野において，3次元スキャンによって得られるデータから高品質な曲面を構築する手法の研究が，非常に重要になってきている．第1報，第4報では，Loop細分割曲面を入力点にフィッティングさせるための効率的な制御点の収束計算方法を提案した．しかし，この収束計算では，境界や折れ，コーナ，ダート点などのシャープフィーチャについて，Hoppeらの計算規則に基づいているため，任意の接平面を持つシャープフィーチャに対応することができていない．そこで，第2報では境界部分に拘束条件を与え，パラメータにより境界での形状を制御する手法を提案した．また，第3報では境界曲線形状の維持条件を考え境界曲率の直接指定を行い，第5報では，横断2階微分ベクトルにより制御を行う手法を検討した．以上の提案では，境界の横断微分ベクトルを制御すると境界線の形状を維持できないという問題が残されている．そこで本報では，これを解決すべく基本的な考え方を明確にし，横断2階微分などの境界条件を満足する高品質曲面生成法と，境界線が指定した曲線となるシャープフィーチャでの分割規則を提案する．