PELID 法を用いた電子回路素子のパターニング

摘要

多品種少量製品が作製可能なインクジェット法を用いたパターニング技術の研究が積極的に行われている．その中でも，電子回路をパターニングする研究が注目されている．著者らは，高電圧印加による強い静電力によって微小な液滴が吐出されるPELID (Patterning with Electrostatically Injected Droplet) 法を用いて回路を描画する研究1-3)を行っている．PELID 法を用いて微細な電子回路を描画する際，吐出された液滴が有する電荷によって，着弾時の液滴の散らばりが発生し，ライン幅が不均一になってしまっていた．そこで，着弾時の液滴の散らばりを抑制することを目的として，対抗電極に針電極を用いてのパターニングを行った．本論文では，針電極を用いて電界を一点に集中させることで液滴の広がりを抑制し，基板に電子回路素子であるカーボンペーストを高精度にパターニングしたことを報告する．