持続可能社会シミュレーションのためのシナリオ構造記述法の提案(第7報)―シナリオの構造記述に基づいた新規シナリオの作成

摘要

環境問題の解決に向けて，持 続可能社会の実現が求められており，そ の中における持続可能な製造業の姿は現在のものと大きく異なることが想定される[1]．持続可能社会の実現に向けた動きとして，文 章による表現とシミュレーションを組み合わせたシナリオを記述することで，持 続可能社会の具体像を描こうとする試みがある．こ のような持続可能社会シナリオの例として IPCC (Intergovernmental Panel on Climate Change)による排出シナリオ[2]などが有名である．本研究は持続可能社会シナリオとその中で使われているシミュレータを計算機利用可能な形で蓄積し，それらを用いてシナリオを合理的，科 学的方法論により作成支援する「持続可能社会シナリオ(3S)シミュレータ」の構築を目指している[1]．本報では，これまで提案してきたシナリオの構造記述法[3][4]を利用して新規のシナリオ作成を支援する方法論を提案する．具体的には，持続可能社会シナリオの作成に必要な要素を明確化し，シ ナリオの作成プロセスを定式化することで，計 算機による支援を可能にする．