分化誘導神経回路と初代培養神経回路の共培養系における機能的結合の形成

摘要

本研究では幹細胞由来神経回路網とCNS神経細胞の初代培養神経回路網の共培養を行い，両者の間に生じる自発電気活動現象とその相互作用を観測することを目的とする．著者らはポリマー樹脂の一種であるPDMS（ポリジメチルシロキサン）と微細加工技術を用いて20個の微細トンネル構造を有する共培養チャンバーの作製を行った．この培養チャンバーを用いることで生体CNS由来，幹細胞由来の二種の神経細胞をそれぞれ混在させず独立した状態で培養することを可能とした．本発表ではマウス大脳皮質神経細胞とマウス胚性腫瘍幹細胞（P19細胞）由来の神経細胞との共培養と，微小電極アレイ基板（Microelectrode arrays: MEA）を用いて自発電気活動計測を行った結果を報告する．