担持Ni触媒を用いたアンモニア分解反応による水素製造

摘要

アンモニアは肥料や化学製品の原料として利用されているが，水素キャリアとしても期待され，近年では固体高分子形燃料電池への利用が注目されている．都市ガスやLPGの水蒸気改質により水素を製造する場合，副生物のCOが電極を被毒するため，CO変性やCO選択酸化の工程が必要となる．一方，アンモニア分解反応による水素製造ではCOが生成しないため，装置の大幅な簡素化が可能となる．最も有効なアンモニア分解触媒として，Ru触媒が盛hに研究されている．また，コスト面を考慮するとNi触媒も有望であるが，その研究例は少なく，担体の影響について十分な検討がなされていない．そこで本研究では，様々な金属酸化物を担体とした担持Ni触媒の物性を評価し，触媒活性に与える影響を検討した．