今日,社会基盤施設は性能照査型で設計されつつある.本法も示方書で要求される性能を満足するように設計されるが,時とともに変化する性能に注目し,維持管理をベースにおいた設計体系にはない.2012年3月に改訂された道路橋示方書の「1.3設計の基本理念」には,“維持管理の確実性および容易さ”が求められている.このような背景のもと,筆者らは時系列に変化する構造物の状態を多状態システム(Multi State System:以下,MSSと略す)にモデル化し,その性能を信頼性評価法で捉えようとしている.ここでは,RC橋脚の塩害による経年劣化を例に,時系列に変化するRC橋脚の劣化過程を維持管理工法と関連付けてMSSによる信頼性評価を実施する.
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