自動車用ターボチャージャの一部を用いたターボポンプの実験的研究

摘要

近年、微小重力下における実験の要望が増加している一方で、100kg程度の実験装置を搭載でき、数分以上の実験時間を提供し、かつ低コストで微小重量（μG）環境を提供する手段が無いことが問題となっている。このような要求に応じる手段として、再使用型小型ロケットがあるが、我々は数分間のμG環境達成を目的とし、垂直（鉛直）上昇、単段（single stage）再使用型小型ロケットにつき検討を行っている。昨年度までの検討で求めた、ロケットの形状、仕様を図1、表1に示す［1］。このロケットの特徴は、エンジンにLOX（液体酸素）/LNG（液化天然ガス）を用いた点にある。検討のベースとしたエンジン性能を表2に示す。ロケットの低価格化の一環として、ロケットエンジンのキーコンポーネントであるターボポンプに、自動車用ターボチャージャの一部を用いることを検討しているが、本稿ではその第1段階の実験的研究を行ったので報告する。