アルミ合金と樹脂の摩擦重ねスポット溶接における熱発生および熱伝導解析

摘要

輸送機器の軽量化を実現するため，マルチマテアリアを積極的に利用する技術の研究開発が求められている，特にアルミニウム合金や樹脂などの軽量材料を用いた溶接構造を作るため，同種材料や異種材料を接合する技術の研究開発が不可欠である。その中，金属材料と非金属材料の接合は，最も困難である．最近，アルミと樹脂を接合するため，金属と接する樹脂の界面を局所的に溶融させて溶着する直接接合技術が，中田らより提案された。樹脂材の界面を溶融するための熱渡としてはレーザや超音波など様々に研究されている?ここでは，円柱状の回転ツールとアルミ材の接触による摩擦熱を利用した摩擦重ねスポット接合（FISJ：Friction Lap Spot Joining）のプロセスに注目し，接触。変形。摩擦。熱発生。熱伝導を考慮した数値解析モデルを構築し，摩擦熱の発生と接合界面への熱伝導現象をシミュレーションした。特に温度履歴や温度分布の評価を行うことで接合機構の解明と接合条件の影響を調査した。