グロビュラー移行制御による炭酸ガスアーク溶接のスパッタおよびヒューム低減

摘要

CO_2アーク溶接は、溶接品質の信頼性に富む上、ガスコストも安価であることから我が国の主要な溶接法となっているが、スパッタおよびヒューム発生量が多いという欠点がある。これまで溶接作業性改善のために多くの検討がなされた結果、低電流。短絡移行領域については、MAG（Ar-20％CO_2）溶接並みの低スパッタ·低ヒューム化が実現されつつある。一方、高電流·グロビュラー移行領域については、パルス電流波形の適用を試みたいくつかの研究報告1）、4）があるものの、広く実用化されるには至っておらず、高電流領域でのスパッタ·ヒューム低減は依然として実現されていない。そこで本研究では、溶滴移行形態の中で最も複雑とされるグロビュラー移行の制御に取組み、スパッタ·ヒュームを低減する新溶接法の実用化を目的としている。