熊本県天草半島西海岸におけるブラックカーボン濃度の変動－平成24年春の観測－

摘要

ブラックカーボン（BlackCarbon：BC）とは炭素を主成分とする燃料を高温で不完全燃焼させた際に発生するもので，中国からの排出が最大といわれている．BCのもつ光吸収性は大気を暖める効果があるため，地球温暖化の大きな要因として考えられている．硫酸塩は化石燃料の燃焼の際に発生するSO2が大気中で酸化されたもので，一般的には冷却効果を持つエアロゾルとして知られているが，硫酸塩がBCに被覆することにより，BCの光吸収性が増大することが分かっている．さらに春季になると大陸から輸送されてくる黄砂粒子にBCや硫酸塩等の汚染物質が吸着して輸送される時の光吸収性の変化に注目されている．