原子力における安全目標

摘要

日本学術会議の総合工学委員会·機械工学委員会合同の工学システムに関する安全·安心·リスク検討分科会は2011年10月からの第22期に安全目標のガイドライン検討小委員会を設置して安全目標について検討し、2014 年 9 月に報告「工学システムに対する社会の安全目標」をまとめた。(参考文献１) この報告では工学システムの安全目標を人命を対象とした目標とし、リスクを総合的に判断して A 基準(リスクがこれより大きければ社会から許容されない基準値)とB 基準(リスクがこれより小さければ無条件で受け入れ可能な基準値)を定め、A 基準と B 基準の間の領域ではリスクを総合的に判断して対応することを提案した。引き続き 2017 年 9 月に終了した第 23 期では安全目標の検討小委員会を設置して検討進め、報告「工学システムに対する社会安全目標の基本と各分野への適用」をまとめた。（参考文献 2）この報告では各工学システムの特徴をふまえたカテゴリー分けを行い各分野への適用に関する提案を行った。