破壊的な鉛直地震動の発生形態と特徴

摘要

“人も家中の物も一瞬で空中に飛び上がったかと思うと，次の瞬乱放り出されたあらゆる物が上から雨のように降ってきました。”これは山古志ホームページでの，中越地震発生時の記事1）で，地震発生の初期に1G以上の力が働き人や物を飛び上がらせている。このような地震波には多くの証言があるが，まだ正確には観測されていない。一方，写真1の整然と横たわる大根に関連し，「一斉に北西方向に約30cm抜け跳hだ」との説明が文献2）にある。別の文献3）では「畑の大根が抜けて，ピョンピョンと飛び跳ねて，白兎が跳ねて遊hでいるようだった」との目撃証言もある。前者の場合は冒頭で述べた状況と重なる。後者の場合，主震動の最中では目撃者は兎が遊hでいる様に感じるゆとりはあり得ず，主震動の後での観察と推測される。その状況は鉛直震動が局地的に生じている状況とも想像され，このような波も正確にはまだ観測されていない。