我が国における地中熱利用の進展と地中温暖化防止への貢献

摘要

CO_2 などの温室効果ガスの排出量の大幅削減には，エネルギー利用の高効率化，いわゆる省エネルギーの推進はもちろhのこと，再生可能エネルギーの大幅な利用拡大なくしてあり得ない．民生部門において最も現実的で効果が高いのは，高効率ヒートポンプと蓄熱の導入であると考える．空気熱源ヒートポンプは世界中で毎年，数千万台が生産，販売されており都市域で“煙を出さない暖房”として果たしている役割は非常に大きい．しかし，気象条件の厳しい地域では厳冬期には効率が落ちて所定の暖房能力が出せない等の問題を抱えている．一方，冷房時には排熱を大気中に放熱するため，大都市圏では局所的なヒートアイランド現象の要因となっており，それがさらなる効率の低下なる負のスパイラルが生じている．