自吸式両吸込渦巻ポンプ

摘要

横軸両吸込ポンプを使用して揚水を行う場合、吸込水位がポンプより低い、いわゆる吸い上げ運転では、ポンプ内および吸込配管内に水が満たされていないとポンプ作用が発生しない。そのため、吸い上げ運転ではポンプ起動前に、真空ポンプでポンプ内および吸込配管内の空気を排気して満水にした後、ポンプ起動を行うことにより送水が開始される。口径Φ150mm以下の片吸込ポンプでは、自吸水ポンプが数多く利用されているが、現在のところ、一般的に製作されている両吸込型の自吸水ポンプは、筆者の知る限りでは存在しない。そこで、口径Φ200mmの自吸式両吸込渦巻ポンプを試作して、大容量自吸水ポンプの開発を行った。自吸水ポンプとしての機能を具備するため、吸込口や吐出し口を含めたケーシング形状に独自の工夫を行い、呼び水循環作用、空気移送、吐出し側気水分離の機能を持たせた。その結果、自吸性能を満たしながら、ポンプ性能が従来とあまり変化しない自吸水ポンプが完成したので、以下に本ポンプの構造と特徴、試験内容、実機場での使用例などを紹介する。