小形軸流ファンの性能向上

摘要

本研究ではケーシング内で羽根車だけが回転する軸流ファンを取扱っている。今回はさらに高圧化を考え、自由渦と強制渦の比率を増し、1:3とした。ケーシング内で羽根車だけが回転するこのような形式のターボ機械内ではケーシング、ボス及び翼面上に発達する境界層が原因になって種々な2次流れが発生するが、渦の比率の増加により二次流れの発生がさらに激しくなることが考えられる。各半径の翼断面の重心の配列方向を周方向及び翼弦方向に傾かせることにより別の二次流れを起こし、渦の配列と重心位置の配列の両方の効果により性能の向上や発生騒音の低減を得ることも可能である。本論文ではこのような同一仕様ではあるが各半径位置における翼面重心位置が異なる軸流ファンを設計試作してその性能試験を行い、特性向上の方法を調べた。