ヒバ実生の根の強度と形態に及ぼす土壌の影響

摘要

青森ヒバ(Thujopsis dolabrata)，別名ヒノキアスナロは主に東北地方に分布する裸子植物ヒノキ科アスナロ属植物の常緑針葉樹である[1]．ヒバは耐朽性，耐蟻性，意匠性に優れることから，その成木は建築材や工芸品に用いられている．このような需要増加を背景として，苗木の育成促進を図った生物学的な観点による研究がなされてきた．ヒバ実生の成長，特に苗高に育成土壌の影響が表れていることが明らかになっている．しかしながら苗高など地上部の形質の測定だけでは生育土壌の影響の評価が困難であり，生育土壌の影響が発芽に現れていることが経験的に知られている．そこで本研究では根に着目した新たな観点からの評価方法を検討する必要があるために．ヒバ実生の2 年生の根の力学的，形態的特性から生育土壌の影響を明らかにすることを目的とする．