電気抵抗測定によるアルミニウム合金板材の曲ぼ加工性評価法の展開

摘要

昨今の要求として二酸化炭素排出量の削減がある。二酸化炭素排出削減の方法としては、自動車車体の軽量化が有効であり、特に部材アルミニウム化はエンジン、熱交換器を中心にある程度進められている。近年ではアルミニウム化はボディパネルへも進み始め、ストレッチャーストレイン模様が出ないことや塗装焼付け硬化性を有することなどの利点から、Al－Mg_2Si系合金がパネル材として使用され始めている。しかしこの合金は従来の鋼材と比して成形性、特に曲げ性に劣る。これまで、この合金の曲げ性についてある程度の研究がなされてきており、例えば高木らl）は曲げ性と0．2％耐力が負の相関を示すと主張し、山方清水ら2）は、極限局部伸びが曲げ性とよい相関を示すとした。さらに浅野らは結晶粒界や粒内を貫通するせh断帯が生じやすく、粒界·粒内に粗大第二相粒子が存在する条件で、曲げ割れが発生·伝播しやすくなるとしている3）。他方日比野らは、第二相の分散状態。および合金元素の固溶状態の影響を明らかにしている4）。