蛍光法による極微量物質の二次元マッピングにおける検出限界調査

摘要

東日本大震災に伴う津波によって，原子炉爆発という大事故が発生した．炉心熔融も起こっていることから，ウランやプルトニウムも，広範囲を汚染した可能性が高い．環境中の放射性物質量を測る放射線測定器は，汚染されている可能性のある部分に近づかなければ，信蹄できる数値が検出されない?特に，核燃料の主要元素であるウランはα崩壊型で，放射線放出の確率が低い上α線の大気透過距離が数cmと短いため，放射線によるウランの検出は困難である．一方, ウランは紫外線照射によって蛍光を発する特性があるため，放射線を検出する代わりにJ蛍光による検出法を利用することができる?この検出法なら，検出器を対象物に近づけることなく，遠隔で広範囲を正確に測定することが期待できる?本研究では，蛍光法による極微量物質の絶対量を高感度測定する手法を確立することを目指し，複数の市販デジタルカメラの検出限界の調査，既知の蛍光物質量と各カメラ出力の検量線を作成し，未知の蛍光物質量の蛍光物質分布を計測することを目的とする．