熱処理を必要としない結晶性アノード酸化TiO_2簿膜の透明導電性ガラス上ヘの作製と色素増感太陽電池ヘの応用

摘要

色素増感太陽電池（DSSC）は，安価で，高い理論変換効率を持つ太陽電池として注目を集めている。さらに最近では，プラスチック基板を用いることで，薄型，かつ軽量で曲げることができるフレキシブルDSSCの開発も行われている。このフレキシブルDSSCでは，プラスチック基板はもちろhのこと，透明導電性膜として用いられている互TO薄膜も熱に弱いため∴如何にして熱処理プロセスを省くかが重要である。しかし，通軌透明導電性ITO薄膜上に酸化チタン層を作製する段階で，酸化チタン層の結晶化および焼結のために450°C程度の熱処理が必要となる。　これに対し，当研究室では，160°Cのリン酸塩含有グリセリン溶液中でチタン板をアノード酸化することで，その後の熱処理を一切行わずに，結晶性の多孔質酸化チタン皮膜の作製に成功している。また，この多孔質薄膜は，10nm程度のメソ孔を有しており，これまで多く報告されているナノチューブ薄膜よりも高い表面積を示す。　そこで本研究では，アノード酸化法を利用することで，熱処理なしにITO基板上に結晶性多孔質酸化チタン薄膜を作製することを試みた。また，これを用いてDSSCを組み立て，その性能についても評価した。