無機高分子をベースにした亜鉛系めっき鋼板用タロメートフリー商品群の開発

摘要

亜鉛系めっき鋼板は耐食性を高めるためにクロメート処理が施されていたが、RoHS指令を代表とする製品環境規制を背景に、国内鉄鋼メーカー各社は世界で初めて電機用クロメートフリー※化成処理鋼板の商品化に成功した。いずれの化成処理皮膜もCr（VI）だけでなくCr(III)も含まない最新技術の粋を集めた商品だったが、近年は中国や韓国製の廉価品による市場浸食と日系家電メーカーの業績不振などにより電機向け電気亜鉛めっき鋼板の国内生産量は減少の一途を辿っている。この状況を打開するには、高速生産や少量品種集約の量産効果による製造コスト低減、ユーザーでの副資材削減や工程省略が可能な高／多機能化成皮膜が必要であった。