T字形状AC4CH鋳物の鋳造割れに及ぼす鋳込み温度の影響

摘要

Al-Si合金の代表的なAC4C合金は鋳造割れが発生しにくいことが知られている。しかし，水平部に比較して垂直部の凝固が遅れるT字形状鋳物の角部においては割れが発生することその原因として製品内部の温度分布により発生した応力が角部において大きいことを著者らは報告している1）。また，薄肉部と厚肉部の凝固時間相対比率により割れ予測を検討することができることを著者らは報告している1）。具体的には厚肉部Ta/薄肉部Tbの比率が1.5以下の条件にある時に割れる，と報告している。ただし，鋳造現場においては割れ発生条件が揃った位置であっても，そこに到達した溶湯温度の違いにより，割れの程度が異なることがあるがこれらに関しては，あまりわかっていない。今回，鋳込み温度を変化させることにより湯流れ到達温度を模擬し，鋳造割れへの溶湯温度の影響について調査した結果について報告する．