(331-0502)In vitro での骨基質配向化における細胞骨格再構築の役割

摘要

生体組織の形態形成には構成する細胞の形態や遊走·運動が関与することから、細胞の構造的安定性と同時に動的な形態変化が重要な因子として寄与していると考えられる。細胞形態形成や運動を支配する細胞骨格系タンパクは主としてアクチン線維と微小管より構成され、これらのタンパクは形態変化のみならず、細胞表面に存在する接着分子であるインテグリンやイオンチャネル、種々の受容体を介したシグナル伝達系と関与することで、増殖や分化、遺伝子発現を制御する。我々はin vitro での生体模擬環境下において、配向化コラーゲン基板上での異方的な細胞配列が、分泌されるコラーゲン、その後のアパタイト配向化に必須であることを見出した。本研究では、基板上の配列細胞における細胞骨格形成阻害が、骨基質異方性形成に与える影響について明らかにすることで、骨芽細胞の形態変化が骨組織における配向性形成に果たす役割を解明することを狙いとする。