型Ti_2AlNb基合金の金属組織制御による室温および高温強度特性の高性能化

摘要

Ti_2AlNb相（斜方晶（Orthorhombic)、O相と呼ばれている）は、加工性能、靭性に優れた高信頼性のチタン系の金属間化合物であり、ジェットエンジン等の高温用途の軽量高強度材料として期待されている。ただし、Ti-6Al-4Vなどの通常のチタン合金と比較して靭性、延性は低く、実用合金の開発に際しては、これらの特性値を向上させることが必要不可欠であった。これまでの研究で、（O＋B2）型合金に微量のボロン（B）を添加した結果、延性や恒温加工性が改善されることを明らかにしてきた1）。これは、高温単相域での焼鈍中に結晶粒の粗大化が抑制されるためであり、最終的に形成されるコロニー組織を微細化することが延性の改善に効果的と考えられる。しかしながら、依然として十分な特性は得られておらず、更に特性を向上させるためには、加工熱処理によっても金属細線の微細化を行うことが必要不可欠である。