自動車材料の難燃化においても、平成6年に内装材の難燃化が義務付けられた。その基準は、米国FMVSS302(Flammability of Interior Materials)がもととなっている。その思想としては、発火時に乗員が安全に車両を停止し、避難できる時間を稼ぐことを目的としている。そのため、材料も発火後の伝播速度を遅延させることを重視している。まさに燃えがたくするという難燃材料の考え方そのものである。一方、輸送移動体全体(車両、飛行機、船)としては、軽量化による燃費効率化を目的にプラスチック材料の採用が進hでいる。具体的には、軽量化には、金属代替としてカーボンファイバー強化プラスチック(CFRP)が注目されている。しかしながら、プラスチックは、燃焼時に溶融物が拡散し、延焼面積を拡大しつつ燃焼する傾向があり、採用拡大による可燃物の安全懸念が生じる。そこで、本報では、その懸念を安心に変えるため、CFRP基本的燃焼特性を測定した結果を報告する。その燃焼挙動は、アレーム、及び輻射熱による着火、及び燃焼を測定し、あらゆる側面から基本的な燃焼挙動を測定することにより、燃焼現象を多面的に把握することで、安全対策に応用することを目的とした。
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