ァイバー複合エアフィルタろ材の開発および性能評価（その２）

摘要

ナノスケールの繊維径を有するナノファイバーは、高比表面積であり、すべり効果を有することからフィルタろ材の捕集率向上·低圧力損失化において応用が期待されている[1]。一方で、単純なナノファイバー積層シートでは、微小繊維同士が密に存在しすぎるため、ダスト負荷に伴い短時間で目詰まりを起こす課題があった。前回の報告において、ナノファイバー複合方法の検討を行い、ろ材の厚さ方向に深くナノファイバーを分散させた構造は、フィルタ性能を示す Qf値が高く、ダスト負荷時の圧力損失が上昇しにくい長寿命を示すことを報告した[2]。一方、基材との複合化の際のナノファイバーの密度および複合量については、十分な検討を行えておらず、調査が必要である。本件では、低圧損·長寿命を示すナノファイバーフィルタろ材の開発として、前回の検討を基にろ材の厚さ全体に渡ってナノファイバーを複合した構造を作製した。さらに、本構造におけるナノファイバー複合量とフィルタ性能の関係を調査し、温湿度暴露試験によりフィルタろ材としての湿度耐久性能を評価したので報告する。