二重管式極低温サーモサイフォン型ヒートパイプの熱輸送特性

摘要

今日、ヒートパイプはその高い熱輸送能力から、電子機器内部の冷却用伝熱素子を中心とした用途に大量に用いられている。超電導機器の冷却にヒートパイプの利用が可能となることで、極低温冷媒の効率的な利用及び、極低温領域においても高効率な熱伝達が可能となる。過去の研究において、極低温冷媒として窒素やヘリウムを用いたサーモサイフォン型のヒートパイプを試作し、熱輸送試験を行った結果、単純な円管ではサーモサイフォン特有の熱輸送限界であるフラッデイング限界によって熱輸送性能が制限されることが明らかになっている。本研究では、そのフラッディングによる問題を解決するため、断熱部を二重管にしたサーモサイフォンを二種類試作し、その熱輸送限界量について調べた。