無冷媒25T超伝導マグネット用高温超伝導コイルにおける交流損失検討

摘要

東北大学金研·強磁場超伝導材料研究センターでは，25T無冷媒超伝導マグネット建設が進hでいる。このマグネットは，NbTi及びNb_3Snを用いた金属系超伝導コイル（LTSコイル）と，GdBa_2Cu_3O_y（Gd123）コート線材を用いたHTSコイルから構成され，LTSで14T，HTSで11.5Tにより中心磁場25.5Tを52mmの室温空間に発生する設計となっている［1］。これらのマグネットは，2台のGM冷凍機によりHTSコイルを，2台のGM／JT冷凍機によりLTSコイルを冷却する。この際，冷凍機の冷凍能力には限界があるので，コイル熱設計が重要となる。特に，励消磁の際に生じる交流損失の影響は，システムの冷却系を考える上で，非常に重要となる。HTSコイルは，J_cの高いテープ線材を用いるため，そのヒステリシス損失は無視できず，テープの積層効果も加味した詳細な検討が必要となる。本報告では，Gd123テープ線材のJ_c特性に基づいた交流損失検討結果について報告する。