CO_2·イオン液体を作動媒体とする圧縮／吸収ハイブリッドサイクルの吸収器におけるイオン液体の熱·物質移動特性に関する研究

摘要

冷凍空調業界における冷媒利用は，環境問題に対する意識の高まりから1985 年のオゾン層保護のためのウィーン条約の採択に始まり，1987 年のモントリオール議定書おける特定フロンの規制より CFC 系，HCFC 系冷媒は HFC 系冷媒に切り替えられた．その後 1997 年に締結された京都議定書では，GWP（地球温暖化係数）が非常に高い HFC 系冷媒が規制された．このことから，HFC に代わる新たな冷媒の模索が急務となっている．冷凍空調の分野においては，低 GWP かつ，安全性，コスト的にも優れた冷媒として自然冷媒系の二酸化炭素（CO_2）が注目を集めている．そこで CO_2 を用いた高効率の冷凍技術の開発が進められている．しかしながら，冷凍空調分野における CO_2 を作動媒体とした冷凍サイクルには，他の冷媒に比べ性能面において問題を抱えているのが現状である．