振動水柱型波浪エネルギー変換装置負荷における非線形性の影響と等価線形化

摘要

振動水柱型波浪エネルギー変換装置に設置される空気タービンは通常，非線形負荷として働くため，等価線形化して解析がなされている．一方，詳細な解析では非線形特性として解くことが可能であり，インパルス応答関数による畳み込み積分を用いた時系列計算により算出されている．等価線形化の利点は周波数領域での扱いであり，不規則波に対して統計的な処理が可能であるため，計算量が少なく，一意的に解が決定されることである．これに対して，時系列計算による解法はより詳細な解析が可能となるが，種々の不規則波形について多くの計算を実施し，その平均処理を行うことになるため，計算量が多くなり，初期設計では等価線形化による解析が有利となる．また，実験データの解析においても非線形特性を線形化して処理すること多い．波浪水槽による実験ではオリフイスがタービンの代替として用いられることが多く，ここでは実験との関連も踏まえて，オリフィス負荷について時系列計算で扱った結果と等価線形化による結果を比較し，等価線形化による誤差を評価，その妥当性について議論する．