擬似衝撃波を伴う超音速内部流動に関する研究（矩形ダクト内の擬似衝撃波の形成過程と特性）

摘要

矩形ダクト内の定常超音速流中に，マッハ2およびマッハ4擬似衝撃波を発生させ，その構造と特性を調べた．次に，超音速風洞の始動過程において発生する衝撃波の形成過程を，高速度シュリーレン写真で観察するとともに，半導体圧力変換器を用いて壁面圧力変動測定を行い調べた．結果を要約すると以下のようになる．(1)カラーシュリーレン写真より，マッハ2擬似衝撃波の先頭衝撃波の形状は，中心に垂直部分を持つ上下対称なλ型となる．先頭衝撃波前枝直後から小規模なはく離領域が存在している．マッハ4擬似衝撃波の先頭衝撃波の形状は，中心に垂直部分を持たない上下非対称なX型となる．先頭衝撃波後方には大規模なはく離領域が存在する．(2)高速度シュリーレン写真の詳細な観察より，マッハ2およびマッハ4超音速流れの場合の始動衝撃波は，定常超音速流中に存在する擬似衝撃波の衝撃波列と同様の構造をしていることがわかった．(3)矩形ダクト内を下流側に移動する始動衝撃波とダクト壁面圧力変動との関連が明らかになった．