同軸型DBDプラズマアクチュエータによる噴流拡散制御間欠制御が及ぼす噴流への影響

摘要

速度をもった流体が小孔（スリット，ノズル）から空間中に噴出する現象，いわゆる噴流現象は，自然界を含む私たちの日常生活および各種の広範な産業分野でみることができる．その中で噴流の制御は，ジェットエンジン，バーナー火炎，ボイラなどの可燃性気体と空気の混合を制御することで高性能化，高効率化，小型化が可能など，工業的に応用範囲が広いため重要な分野となっている．近年では様々な流体の制御デバイスが考案されている中で，大気圧放電により生成されるプラズマを利用した流体制御技術（プラズマアクチュエータ）は，可動部の無いシンプルな構造で，制御に必要な比較的強い流れを誘起できる流体制御デバイスとして様々な研究機関で大きな注目を集めている．これは誘電体を二枚の電極ではさみ，両電極間に高電圧高周波を印加し電極間に誘電体バリア放電（DBD：dielectric barrier discharge）を生じさせ，そのときに発生する誘起流れを利用して流体を制御しようというものである．これまで同軸型DBDプラズマアクチュエータを用いて噴流の拡散制御を行ってきた．今回の実験では印加電圧のon，offによる間欠制御を行い，噴流の持つ固有の振動であるプリファード周波数の倍数値の間欠周波数f_d=80Hz，160Hz，240Hz，320Hzを与えることで共振的な効果により噴流の不安定性を増長させ拡散制御を試みる．また，その際に間欠比dutyの値を変えることでプラズマの発生間隔が異なる場合，誘起流れが噴流の初期領域においてどのような影響を及ぼすかPIV解析によって速度をベクトル化し，それより速度変動の確認および比較考察を行い，その結果を報告する．